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アスベストが含有しているといわれた…劣化していないように見えるので、そのままにしておいていいの?

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アスベスト(石綿)は、過去に建築材料として広く使用されていた物質で、耐火性や断熱性に優れているため、特に吹付け材としてよく使われました。しかし、アスベストは人体に対して有害な物質であり、特にその繊維が空気中に飛散し、吸入されると深刻な健康被害を引き起こすことが知られています。アスベストを吸入すると、肺に繊維が蓄積し、長期的にはアスベスト肺、肺がん、中皮腫といった病気を引き起こすリスクが増大します。そのため、アスベストが含まれる建材の取り扱いには厳しい規制が設けられており、特に劣化したアスベストが飛散するリスクが高い状況では、早急な対策が求められます。

ところが、この「劣化していないように見える」という点が重要になります。アスベストが含まれる吹付け材が劣化していない場合でも、注意深く対応する必要があります。

以下にその理由と対応策を詳しく説明します。

劣化していないアスベスト吹付け材のリスク

たとえ見た目には劣化が見られない場合でも、アスベスト含有材料は将来的に劣化する可能性があります。アスベストは非常に微細な繊維で構成されており、肉眼で確認できる劣化が起こる前に、わずかな振動や衝撃、摩耗などによって少量の繊維が飛散する可能性があります。劣化が進行すると、繊維の飛散リスクは大幅に増加しますが、その前段階でも微量ながら飛散している場合があるため、注意が必要です。

特に、日常的に人が出入りする場所や、風の通りが良い場所では、空気中に微細な繊維が浮遊しやすくなります。アスベストは吸入してもすぐに症状が現れるわけではなく、健康被害が発症するまでに数十年かかることもあります。このため、現在は問題がないように見えても、将来的な健康リスクを見逃すわけにはいきません。

そのままにしておいて良い場合と対策が必要な場合

アスベスト含有の吹付け材がそのままにしておいて良いかどうかは、具体的な状況や条件によります。以下に一般的なガイドラインを示しますが、専門家に相談することを強くお勧めします。

そのままにしておいても良い場合

アスベスト含有建材が以下の条件を満たす場合、すぐに除去や封じ込めなどの対策を取る必要がないと考えられることがあります。

  • 劣化が見られない:肉眼で明らかな損傷やひび割れ、剥がれがない場合。
  • 定期的にメンテナンスされている:定期的に建物の点検が行われており、アスベスト含有箇所に異常がないことが確認されている場合。
  • 飛散のリスクが少ない場所にある:人が頻繁に出入りしない場所や、風の通りが悪い場所に設置されている場合。
  • 適切に封じ込められている:アスベスト含有材料が封じ込められており、外部に繊維が飛散するリスクが非常に低い場合。

これらの条件を満たす場合でも、定期的な点検と監視が不可欠です。時間の経過とともに状況が変化し、劣化が進む可能性があるため、長期的な安全性を確保するためには継続的な監視が求められます。

対策が必要な場合

次のような状況では、早急な対応が必要となる場合があります。

  • 劣化が進んでいる:剥がれ、ひび割れ、劣化の兆候が見られる場合。これにより、アスベスト繊維が飛散するリスクが高まります。
  • 人の出入りが多い場所にある:学校やオフィス、住宅など、頻繁に人が出入りする場所にアスベストが露出している場合。
  • 振動や衝撃を受けやすい場所にある:建物がリフォーム中であったり、重機が頻繁に通行する場所にある場合、振動によってアスベストが飛散する可能性が高まります。
  • アスベストの封じ込めが不十分である:適切な封じ込めがされておらず、直接接触や外部からの影響を受けやすい状態にある場合。
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対策の種類

アスベストが含まれる吹付け材が問題となる場合、以下のような対応策があります。具体的な選択肢は、建材の状況や建物の利用状況に応じて決定されます。

封じ込めとは?

アスベスト含有建材をそのまま残しつつ、表面を特殊なコーティング材で覆うことにより、アスベスト繊維の飛散を防ぐ方法です。この方法は、アスベストの除去に比べてコストが低く、建物の構造を大きく変更する必要がないため、短期間で実施できるのが利点です。しかし、長期的には封じ込め材の劣化に伴って再度対応が必要になる可能性があります。

除去する方法とは?

アスベストを含む建材を完全に取り除く方法です。これにより、将来的な飛散リスクを完全に排除できますが、作業中にアスベストが飛散するリスクもあるため、厳格な管理のもとで行われます。専門業者による慎重な施工が必要であり、費用や時間がかかることがデメリットです。

カプセル化とは?

アスベスト含有材料に液体を噴霧して固めることにより、アスベスト繊維が飛散しないようにする方法です。この方法も比較的安価で、既存の建材をそのまま残すことができますが、材料自体の劣化が進むと再びリスクが高まる可能性があります。

法的な規制と義務について

日本においては、アスベストの取り扱いには厳しい法的規制が設けられています。特に、吹付けアスベストが含まれる建材の除去や封じ込めを行う場合は、専門の業者に依頼しなければならないとされています。また、作業を行う際には、作業区域の飛散防止措置を行い、周囲への影響を最小限に抑えることが義務付けられています。

さらに、アスベスト含有建材を使用している建物の所有者には、定期的な点検や適切な対策を講じる義務があります。万が一、飛散リスクがある場合には、早急に対応することが求められます。放置していると、所有者には罰則が科される可能性もあります。

専門家への相談の必要性

アスベストが含まれる吹付け材については、専門的な知識と技術が求められるため、自己判断で対応することは非常に危険です。アスベストの検出、状態の評価、適切な対策の提案は、専門業者や技術者による診断が必要です。定期的な点検を依頼し、劣化の兆候やリスクがないかどうかを確認することが、最も安全で確実な方法です。アスベスト含有の吹付け材が「劣化していないように見える」場合でも、リスクが全くないわけではありません。将来的な劣化や飛散の可能性を考慮し、専門家に相談してくださいね。

アスベストの調査費用

アスベストは、外見から見ただけでは劣化しているかどうかわからない場合が多くあります。建築時の図面や仕様書などを確認しながら、必要であれば、現地でサンプル試料を採取し、分析を行なわなければなりません。当然ながら調査費用も発生します。アスベストの調査費用の詳細については、下記のページで詳しく説明しておりますので、ご確認ください。

ご相談は無料ですので、お気軽にお問い合わせください。

 

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