従業員が中皮腫・肺がんになった！
アスベスト（石綿）を直接扱う職業についていなくても健康被害を受ける可能性があります。吹付けアスベスト（石綿）のある建物で作業をしていた人の中にも、アスベスト（石綿）疾患とされる中皮腫や肺がんになった方がいます。建物の所有者は、テナントや不特定多数の利用者がアスベスト（石綿）にばく露しないよう、配慮する必要があります。
建物の所有者に対し、損害賠償の支払いが命じられることも
アスベスト（石綿）を直接扱っていないのもかかわらず、中皮腫にり患した事例があります。この場合には「賃借していた建物に使用されていたアスベスト（石綿）が原因だ」として、建物の所有者を相手に遺族が民事訴訟を起こしましたが、この判例では、所有者に「工作物に設置、保存上の瑕疵」があったとして、遺族に対して損害賠償の支払いを命じました。
建設アスベスト訴訟の判例も受けて、増加していく
今後、賃貸人等からアスベスト（石綿）関連疾患にかかる損賠賠償請求がなされる可能性は高いと言えます。その際、建設アスベスト訴訟の判例を受け、弁護士が代理人となるケースも多くなると思いますが、相手方がアスベスト事件訴訟を経験しているなど同問題に精通している場合もあり、所有者としても慎重な対応が必要であると言えます。
